安藤ハザマに提案したオアシスによる株主提案の内容

不健全なコーポレートガバナンスの一例として、安藤ハザマは株主に各提案の理由を説明するためにわずか400文字に制限しましたが、これは十分な字数ではありません。しかしながら、我々は以下を安藤ハザマに議題として提案しました。安藤ハザマの将来とコーポレートガバナンスを改善することを真に願う株主の皆様には、今回の定時株主総会にて我々の提案に賛成投票をしていただけますよう、よろしくお願いいたします。

1.      議題1:自己株式取得の件

(1)    議案の要領

会社法第156条第1項の規定に基づき、本定時株主総会終結のときから、1年以内に、当社普通株式を株式総数20,034,300株、取得価額の総額金17,149,361,000円(ただし、会社法により許容される取得価額の総額(会社法第461条に定める「分配可能額」)が、当該金額を下回るときは、会社法により許容される取得価額の上限額)を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。

(2)    提案の理由

第3四半期財務諸表によれば、会社の余剰金の配当可能額は895億円を超え、2019年12月時点の自己資本の約68%に上ります。その資本コストは運用益を上回り、有効活用されない巨額の余剰資金の存在は企業価値を毀損し、自己資本利益率を低下させています。当社は2020年2月に公表された中期経営計画において、当社が全く知見を有さない建設外事業に参入する合理性、具体的な投資計画を示しておらず、当該計画は、資金貯蓄の口実に過ぎません。そこで我々は、ISSの基準[1] (10%)の範囲内で、当該資金を自己株式の取得に活用することを提案します。資本コストの減少と長期的な企業価値の向上につながる自己株式取得は、ハイリターンで、考え得る最も安価な資産の取得です。

2.      議題2:定款一部変更(安全衛生管理の徹底)の件

(1)    議案の要領

現行の定款に以下の条文を新設し、第3条以降の条数を1条ずつ繰り下げる。なお、本定時株主総会における他の議案(会社提案にかかる議案を含む。)の可決により、本議案として記載した条文に形式的な調整(条文番号のずれの修正を含むが、これに限られない。)が必要な場合は、本議案に係る条文を、必要な調整を行った後の条文に読み替えるものとする。

(安全衛生管理の徹底)

第3条 当会社においては、「安全はすべてに優先する」ことを当会社の安全衛生の基本方針として、役職員一人一人が、火災・事故等の、安全衛生に関する事故を決して発生させることのないよう、安全衛生管理を徹底する。

(2)    提案の理由

当社においては、近年、当社が施工する工事現場において安全衛生に関する重大事故が繰り返し発生し、工事に従事されていた方のみならず、工事とは無関係の一般の方の尊い命までもが失われる事態となっています。2019年には、2017年に発生した通行人を巻き込んだ死亡事故に関して、福岡簡易裁判所から当社の社員が業務上過失致死の略式命令を受けたことに伴い、国土交通省から建設業法に基づき7日間の営業停止処分を受けるに至りました。

当社は、近年の重大事故の発生を踏まえて、2018年11月8日に再発防止策を公表していますが、当社の従前の取組みは当社の姿勢を根本的に変えるまでには至らなかったことから、再発防止策において述べている役職員による安全衛生管理の徹底について、当会社の根本原則である定款に定めることで、役職員による再発防止策の確実な履行と安全意識の向上、安全管理の徹底をより一層図るべきと考えます。

[1] See Institutional Shareholder Services (“ISS”)が公表する2020年版日本向け議決権行使助言基準 第12項自己株式の取得

https://www.issgovernance.com/file/policy/active/asiapacific/Japan-Voting-Guidelines-Japanese.pd