安藤ハザマの悲惨な不動産投資の歴史

1980年代と1990年代に日米で不動産投資を行った後、旧ハザマはこれらの投資を立て続けに損失を出し、2000年には旧ハザマは日本の銀行団に対して1050億円の貸付債務免除を要請しました。さらに、2002年に間組は1220億円の純損失を計上しました。そして、2003年には、旧ハザマは再び、みずほ銀行率いる銀行団に1500億円の貸付債務免除を要請しました。

最終的に、当時の大和文哉旧ハザマ社長は辞任せざるを得なくなり、旧ハザマは1000人以上の社員をリストラ、3085人いた社員を1948人に減らしました。

その後、旧ハザマは安藤建設との合併をへて安藤ハザマとして再建を果たします。統合後は建設業に集中し1000億円以上の余剰資金を有するほどの高収益事業へと立て直しました。

幾年もの安藤ハザマの努力と、そして、株主も耐えてきたという経緯を経てきたにも関わらず、安藤ハザマが不動産市場に再参入して元に戻ろうとしていることに驚いています。そして、おそらく最もショッキングなことは、福富正人代表取締役社長自身が間違いなくその当時のことを覚えているということです。その当時、福富社長は旧ハザマで働いていたからです。

過去に学ばない者は、過ちを繰り返す。歴史を省みない者は繰り返す運命にある。先人の過ちを学ばない者は繰り返す宿命にある。

‐ジョージ・サンタヤーナ

こういったこれまでの過ちを踏まえれば、どうして投資家は安藤ハザマが同じ過ちを繰り返すことを望むでしょうか?

これが、オアシスが9.98%の自社株買いを求める理由です。安藤ハザマが甘い見通しで不動産市場に再参入することは、会社の将来に甚大なリスクです。株主は持てる力を使って、安藤ハザマの経営陣に対して、直ちに投資計画を再考させ、企業価値をリスクにさらすのではなく、企業価値を真に伸ばす資本政策にフォーカスするべきというメッセージを送りましょう。